SAP GoingLive Check

順調な本稼働開始を支援し、技術的に安定した運用を行うためのサービス

SAP GoingLive Check は、お客様の SAP ソリューションをセーフガードし、本稼働を円滑に開始できるように支援します。このサービスは、導入プロジェクトの成功に向けた最終的なマイルストーンです。この予防的なサービスを実施することで、システムやビジネスプロセス設定が最適化されていないことによって生じるリスクが軽減されます。技術的に安定した運用が導入初期から可能になるため、お客様は安全に業務を遂行できます。

概要

このサービスでは、標準化された手法でお客様の SAP ソリューションをチェックし、主要ビジネスプロセスの最適なパフォーマンスとシステムの可用性を確かにするための推奨事項をご提案します。SAP GoingLive Check は、リモートサービスで、エンドツーエンドの根本原因分析ツールを使用して実施されます。チェックの結果は詳細なサービスレポートとしてお客様に提出されます。

ご使用の SAP ソリューションとご契約タイプに応じて、お客様のニーズに合わせてカスタマイズされた GoingLive サービスのポートフォリオをご利用になれます。このポートフォリオは、解析と確認から成る 2 つのサービスセッションで構成されます。個々のセッションは、導入プロジェクトの重要なフェーズで実施されます。

  • 解析セッション: SAPシステムとデータベースの設定確認を行います。このセッションは、本稼動開始の 4 週間前までに実施されます。
  • 確認セッション: 本稼動環境における安定運用およびシステムパフォーマンスの検証を行います。本稼動開始のおよそ 4 ~ 6 週間後に実施されます。

お客様のメリット

SAP GoingLive Check のご利用により、SAP ソリューションへの投資を早期回収するのに役立つ多くのメリットを得ることができます

  • 以下により、SAP ソリューションの本稼働開始時点から、最適なパフォーマンス、高い可用性、保守性を実現する準備ができます
           *  最適な設定を行うための推奨事項の提供  
           *  パフォーマンスが重視されるビジネスプロセスの分析    
           *  改善に向けたアクションリストと具体的推奨を詳細に記載したレポートの生成
  • 不要な作業を最小限にとどめ、複雑さを回避するための技術的なガイドラインを得られます
  • SAPが持つ数千件に及ぶ導入経験を生かし、初期段階において問題をあらかじめ回避することで、最終的には時間と費用を節約することにつながります

 

詳細情報

SAP GoingLive Check は、SAP ソリューションを新規に導入したり、データ量やユーザー数の大幅な増加に伴って既存の SAP ソリューションを拡張したりする場合に最適なサービスです。このサービスは、解析セッションと確認セッションから成る 2 つのサービスセッションで構成されます。これらのサービスセッションによって、お客様のシステムの重要なコンポーネントが解析されます。各セッションが終了すると、お客様には詳細なレポートが提出されます。レポートでは、ご使用のシステムの稼働状況、およびお客様の SAP ソリューションを最適に導入し順調に本稼動を開始するために実施すべき推奨事項が記載されます。

解析セッション

解析セッションは、本稼動開始予定日の 6 週間前には実施する必要があります。このセッションを実施する前に、ハードウェア、各アプリケーションのユーザー数、予想データ量、各種インターフェースの詳細を、システム全体について確認しておく必要があります。SAP が解析セッションを提供できるよう、お客様は「準備」手順を完了させておいてください。この手順は SAP Solution Manager の[SAP エンゲージメントおよびサービスデリバリ]ワークセンターからアクセスできます。または、SAP for Me のアプリケーションからアクセスできます。「準備」手順は、解析セッションのおよそ 1 週間前までに完了させる必要があります。セッション結果はレポートとしてお客様に提出されます。レポートには、ハードウェアリソースの状態、および本稼動を順調に開始するために必要なパラメーター設定についての情報が記載されています。

確認セッション

確認セッションでは、解析セッションから想定された設定を確認するための所定のシステムチェックを実施します。

  • 前回の解析セッションレポートに記載された SAP推奨事項の適用状況
  • システムの可用性と設定
  • ビジネスプロセスのパフォーマンス

確認セッションでは、本稼動開始のおよそ 6 週間後に、お客様システムの稼働状況をチェックします。このセッションの結果は、解析セッションと同様にレポートとして提出されます。解析セッションと異なる点は、実際の本稼動システムの日常業務データがあり、ユーザーは本稼動システムの利用経験に基づいてフィードバックを提供できる点です。このレポートには、システム設定のチェック結果、および改善に向けた追加推奨事項が記載されます。

サービス手順と前提条件

お客様のご希望に合わせた日程をスケジュールいたします。期間は内容の複雑さとお客様の要件によって異なります。SAP GoingLive Check の解析セッションは、本稼動開始日の 6 週間前に実施します。また、確認セッションは、通常、本稼動開始の 6 週間後に実施します。各セッションは独立しており、それぞれのセッションで具体的なアクションリストと推奨事項を記載した詳細なレポートが提供されます。後続のサービスセッションで効果的なチェックができるように、各レポートに記載された推奨事項を適用しておく必要があります。SAP GoingLive Check は、本稼動開始日が近づいている SAP ソリューションを対象としてご利用いただけます。SAP EarlyWatch Alert を ABAP スタック上で有効化いただき、定期的にデータを送信いただくことを強くお薦めします。

SAP EarlyWatch Alert ワークスペースで、[Service Data Quality and Service Readiness] が青信号であることを確認してください。
 
SAP Early WatchAlert ワークスペースには、 こちらからアクセスできます。

詳細については、SAP Note 2899458 を参照してください。

FAQs

SAPソリューションの導入プロジェクトの計画作成は、お客様にとって重要なマイルストーンです。特に、中規模および大規模なインストールでは豊富な経験に基づく総合的な測定が必要です。このような測定の対象には、以下のようなものがあります。

  • 計画データボリューム
  • テクニカルソリューションモデリング
  • データインポートテスト
  • 複数サーバーへのワークロード分散
  • 高可用性を確保するシステムセットアップ
  • データセキュリティテスト
  • SAP GoingLive Check では、標準化された手順と適切に定義されたサービス範囲に従って、高品質のサービスをお客様に提供します

このサービスでは、1 つのインストール済システムを解析し、その結果得られたシステム設定の推奨事項を提供します。この推奨事項は SAP の経験に基づくものであり、効果を 100% 保証することはできませんが、それでも、SAP はこれまでに得た経験とナレッジを活用して最大限の成果が得られるように努力しています。一般に推奨事項の適用により、応答時間を全体で 15% 以上改善できると見込めます。

SAP GoingLive Check

SAP EarlyWatch Check

アプリケーション: アプリケーションと IT 組織プロセスの段階的な最適化

  • 主要ビジネスプロセスの最適化(受注入力など)
  • 主要バックグラウンドプロセスの段階的な最適化(MRP実行、一括処理、決済処理など)
  • 頻繁に使用されるクエリーの段階的な最適化

SAPベーシス: システム設定の継続的な最適化

  • サイジングの妥当性チェック
  • 本稼動開始時のシステム設定
  • 分散による負荷最適化
  • キャパシティ計画
  • ボトルネックとパフォーマンスの分析

はい。一般的に追加アプリケーションを有効化すると、SAP システムのコアビジネスプロセスとシステム負荷全体に変更が生じるためです。また全体的なカスタマイジング設定によってもパフォーマンスは大きく影響されるため、やはり本稼動開始前に分析した上で最適化しておく必要があります。

SAP Solution Manager の「サービスデリバリ準備状況」ツールにまとめられている技術的な前提条件を満たしている必要があります。さらに、解析セッションを行う前に、「準備」手順を完了させる必要があります。

SAP GoingLive Check の実施の有無とは関係なく、本稼動システムには SAP EarlyWatch Check を実施することをお奨めします。SAP EarlyWatch Check は、SAP ソリューションのデータベースを含む各コンポーネントを解析することにより、パフォーマンスを最適化し総所有コストを最小限に抑える方法を発見するサービスです。

SAP GoingLive Check は、特別なツールとモニターを使用して標準化された手順で実施されます。各システムの解析ごとに、チェック結果とシステム最適化のための推奨事項をサービスレポートとして確認できます。